
LINEヤフー
【2025年最新版】LINEヤフー(4689)決算を財務から徹底解説|KabuMartスコア7.5(A)の理由と株価が伸びない要因
Written by
KabuMartLINEヤフーの第二四半期決算を徹底解説
「LINEヤフーの決算は悪くないのに、なぜ株価は下がっているのか?」
この疑問は、決算短信を読んだ多くの投資家が感じているのではないでしょうか?
2025年11月4日に発表された
LINEヤフー(4689)2026年3月期 第2四半期決算 は、
- 売上は成長
- 利益水準は高い
- PayPayは絶好調
という一見すると「良い決算」でした。
それでも株価は伸び悩んでいます。(なんなら決算発表以降下落傾向にあります)
その理由は、業績ではなく「財務構造」と「利益の質」 にあります。
本記事では、
- LINEヤフー最新決算の中身を初心者向けに解説
- KabuMartの企業分析スコア(7.5 / A)の意味
- 安定性(=財務)なぜDになるのか
- 株価が上がらない理由と、今後上昇する条件
を、決算に記述されている内容で解説します。
1. LINEヤフーの最新決算まとめ【結論】
まず結論からです。
LINEヤフーは「稼ぐ力」は非常に強いが、
財務構造が重く、利益の再現性が見えにくいため、株価評価が伸びにくい状態にある。
短期的に業績が悪化しているわけではありません。
しかし、株価は「将来の安定性と成長」を織り込むため、
市場は慎重な評価をしています。
2. 決算数字の全体像(2025年4〜9月)
全社業績(2Q)
- 売上収益:9,953億円(前年同期比 +7.6%)
- 調整後EBITDA:2,512億円(+7.2%)
- 営業利益:2,145億円(+24.2%)
ポイント
- 営業利益は大きく伸びている
- ただし、その一部は M&Aに伴う一時的な会計上の利益
投資判断では
「営業利益」より「調整後EBITDA(本業の稼ぐ力)」を見る必要があります。
3. セグメント別に見ると「強い事業」と「弱い事業」がはっきりする
① メディア事業(広告、主力事業)
- 売上:横ばい
- 調整後EBITDA:前年同期比で減少
- 原因:生成AI関連コストなどの増加
広告の中身を見ると、
- LINE公式アカウント(アカウント広告)は好調
- 主力事業の検索広告は減少
=> 成熟した広告事業で利益率が低下している
これはLINEヤフーの本業で稼ぐ力が低下していることを意味します。非常にネガティブな要素です。
② コマース事業(EC・ZOZO・アスクル)
- 売上・取扱高は成長
- ただし販促費が増え、調整後EBITDAは減少
=>「売上は伸びているが、儲けが薄い」
=> EC業界特有の価格競争が続いている
③ Fintech事業(PayPay、戦略事業で今後成長が期待されるが主力ではない事業)
- 売上・利益ともに大幅成長
- 調整後EBITDAは前年同期比 +100%超
- PayPay取扱高:9.2兆円
- PayPay銀行の貸出残高も拡大
=> LINEヤフー全体の成長エンジンはPayPay
4. KabuMartの企業分析スコア7.5(A)は何を意味するのか?
KabuMartでは、LINEヤフーを
総合スコア 7.5 / A と評価しています。
これは
「優良企業だが、リスクと課題もはっきりしている」
という評価です。
以下、各項目を決算・財務と対応させて説明します。
5. 成長性:6.3(B)|PayPay依存の成長構造
- Fintechは高成長
- EC取扱高も増加
- 一方、広告は横ばい
=> 成長はしているが
=> 成長ドライバーがPayPayに偏っている
そのため、S評価には届かず B評価。
6. 収益性:9.3(SS)|日本トップクラスの稼ぐ力
- 全社の調整後EBITDAは過去最高水準
- Fintechの利益貢献が急拡大
- 巨大プラットフォームによる規模の利益
=> 「稼ぐ力」そのものは極めて強い
7. 余力:9.3(SS)|財務体力と株主還元
- 総資産10兆円超
- 強力なキャッシュ創出力
- 自社株買い・消却を実施
- 年間配当予想:7.30円に増配
=> 短期的に会社が揺らぐ可能性は低い
8. 新規性:2.6(D)|AIはまだ収益源になっていない
- 生成AI投資は進行中
- ただし新しい収益モデルは未確立
- 事業の中心は既存領域(広告・EC・金融)
=>「革新的な新規事業」という評価はまだ難しく、まだ検証段階といったところでしょうか
9. なぜ「安定性」が2.9(D)なのか?
ここが最も誤解されやすいポイントです。
KabuMartの「安定性」は、業績ではなく 財務構造 を見ています。
主に以下の指標を用いて評価しています。
- 流動資産と流動負債のバランス
- 固定資産(特に無形資産・のれん)の比率
- 負債の規模と質
- 自己資本(親会社持分)比率
LINEヤフーの財務構造を見ると…
① 流動負債が非常に大きい
PayPay銀行や決済事業を連結しているため、
- 預金・決済残高が流動負債として計上
- 数兆円規模の流動負債を抱える構造
=> 事業上は正常
=> 財務指標上は「短期負債が多い会社」に見える
② 固定資産・のれんが大きい
- M&Aを積極的に実施
- 無形資産・のれんが積み上がっている
=> 景気悪化時の減損リスク
=> 資産の流動性が低下
③ 自己資本比率の低下
- 親会社持分比率
32.7% → 27.8%
=> 財務のクッションが薄くなったと評価されやすい
結論
財務構造だけを見ると、安定性D評価は合理的
重要なのは、
- 「倒産リスクが高い」わけではない
- ただし “重たい財務構造” であることは事実
10. 株価が伸びない理由は「業績」ではなく「評価倍率」
市場は次の点を気にしていると考えられます。
- 利益の一部が一時要因に見える
- そもそも検索広告という主力事業で収益を上げることができていない => 将来性が心配
- 広告・ECの利益が弱い
- 財務構造が重く、安定性に懸念がある
- AIの導入を図ろうとしているが、費用面や未だ検証段階であったりし => 将来性が心配
- 以上の理由より、LINEヤフーの成長ストーリーが見えてこない
=> その結果、株価が上がらない
これが
「決算は良いのに株価は下がる」 最大の理由です。
11. 今後、LINEヤフーの株価が上がる条件
最重要ポイント
PayPay以外で、再現性のある利益成長を示せるか
主力事業の検索広告をどう利益へ繋げていくか
AIの活用により業務の効率化・最適化をすることができるか
具体的には
- 広告事業の利益率回復(AI投資の回収)
- EC事業の販促費抑制とEBITDA改善
- Fintechの成長と同時にリスク管理を明確化
- 自己資本比率の回復
これが示されれば、
市場は再び評価倍率を引き上げる可能性があります。
12. まとめ|LINEヤフーは「強いが、重たい」
- 収益力:非常に強い
- 成長:PayPay主導
- 財務:重たい構造
- 株価:評価は慎重
=> 中長期では有力候補だが、短期での急騰は期待しにくい
KabuMartでできること
KabuMartでは、
業績だけでなく、財務構造まで含めた「安定性」を定量評価し、
- なぜ評価が低いのか
- どこが改善すれば株価が動くのか
を可視化しています。