
KabuMartを活用した投資での利益の上げ方について
KabuMartの活用法と、投資での利益を得る仕組みについて
はじめに
本記事は、KabuMartの活用の具体的な方法(筆者の使い方)および、投資でどういった利益を取ろうとしているのか?といった点で解説を行います。
以下の点に注意してください。
- 今回解説する以外にも活用方法はあるので、ご自身に合ったスタイルを見つけてください。
- 必ず利益が得られるというわけではありません。あくまで現状の私個人の意見であり、推奨するものでもございません。
投資で得る利益について
株式投資にはさまざまなスタイルがあり、それぞれどういった利益を獲得するかが異なっていることをまずは理解することが重要です。一つずつ見ていきましょう。
インデックス投資
インデックス投資はマーケットの動きに連動した利益を獲得します。つまりアメリカ経済全体がどういった動きをするのか、日本経済がどういった動きをするのかといった風に大きな枠組みで、市場自体がどういった方向に向かっているのか?それが上昇なら利益であり、下落であるなら損失であるといった理解になります。これを一般にベータと呼びます。
つまりインデックス投資はベータのみを獲得する投資スタイルと言えるでしょう。そしてマーケットが上向きなら参加者は全員利益を得られるのが利点になります。
短期個別株投資
短期の個別株投資では市場の動きは全く関係ありません。そのためベータで言うとほぼ0と言って良いでしょう。では短期の投資にはどう言った要因があり利益を得ることができるのでしょうか?
短期投資では、銘柄の人気度、需給と言った要素が大きく、ざっくり言ってしまえば心理的な要因が全てです。そのためファンダメンタルズやマーケットの流れは関係なく、大きく儲ける人もいれば、大きく損する人もいる、そんな投資スタイルだと私は考えています。
いわゆるゼロサムゲームと言われるように、儲ける人の利益と、損を被る人の損失の額が等しくなります。
長期個別株投資
長期の個別株投資は市場の動きとの関連性(ベータ)および、銘柄特有の利益(アルファ)を取るスタイルであると言えるでしょう。ベータに関しては、マーケット全体が上がるとそれに連動してどれくらいその銘柄が上昇しやすいか?と言った指標になります。しかし、本来投資家が取りたいのはアルファの部分であると思います。こちらはどれだけその企業が割安でバリューが取れ、成長期待(グロース)での株価上昇が見込まれるかといった利益の種類と言えるでしょう。
ここで、バリューとはいわゆる割安株のことであり、企業本来の価値に対して株価が過大評価されているのか、正当な評価であるのか、それとも過小評価されているのかを表現したものです。
同様にグロースとは、企業が今後どれくらい成長が見込まれるかと言った期待感を株価に乗せていく投資の利益をあらわしたものになります。
KabuMartを中長期投資で活用
私は、KabuMartを中長期の投資で活用しています。そして割安成長株を見つけることでバリュー、グロースでの利益を得ることを目的としています。以下では実際にどのようにして割安成長株を見つけているかを説明していきます。あくまでKabuMartのみを活用した方法ですので、さらにご自身で分析をしてから投資をするとより精度が上がるかもしれないですね。
成長/資産/収益
KabuMartには「決算」ページがあり、毎日最新の決算情報が更新されます。私は以下の基準をもとに銘柄の選定を行なっています。
- 成長がS以上
- 資産がA以上
- 収益がA以上
- PERが20以下
それぞれについて説明します。私が最も重視しているのが成長です。これは今成長している企業は今後も成長するであろうという仮定に基づいています。今後も成長するのであれば、今のうちに投資をしておいた方が良いですね。
続いて資産ですが、長期で投資をする場合企業が安定するためには、余裕のある資産管理が必要であり、最低でもA, B程度は欲しいと考えています。急に倒産なんてされたらたまったものではありませんよね?
そして収益ですが、こちらは企業がどれだけ儲かりやすい良いビジネスをしているか?と言ったものになります。成長はしていてもたまたまなのか、ビジネスが良いため成長ができているのか?が分からないのでこちらの項目で判断しています。A以上はほしいなという気持ちです。
最後にPERですが、一般的に日本企業はPER15以下が1つの割安感の基準になっています。成長株を探していますので、期待感も織り込まれているとして、20程度までは許容しています。
同業種比較とポジネガイベント
ある程度気になる銘柄が定まりましたら、実際に個別ページで銘柄を確認していきます。個別銘柄のページではスコアはもちろんのこと、同業種との比較や決算書に記載されていたポジティブイベントやネガティブイベントが確認できます。
まずは同業種で比較していきます。ここで見るポイントとしてはPERを最初に見ます。他の企業と比較してPERが割安なのかそれとも割高or適正なのか確認してください。例えばPERが8で割安っぽく見えても同業種を見るとどこも同程度である場合は数値だけだと割安だが、実際は適正範囲なのでは?と言った風に判断できると思います。成長株であることも含めると割安〜適正程度の株であれば良いと思います。
次にポジティブ、ネガティブイベントを確認します。決算にネガティブイベントがない企業など存在しないので、ネガティブイベントを見てそれが許容できるかどうかを判断しましょう。例えば主力の売上が50%減など今後に影響が出そうなものがあったら要注意です。一方で、ポジティブイベントとして別の商品にピボットしてそちらの売り上げが著しく伸びているのであれば許容しても良いかもしれません。
ここは、自分の中で今後の成長に対して許容できるかどうかの自己判断が必要です。
IRイベントのチェック
ここまでで残った企業はすぐに買うのではなく、開示情報を確認しましょう。開示情報ページから自分が投資してみたいと思った企業を登録すると毎日IR関連の情報がないかAIが探し、あった場合は解説をしてくれます。そう言った解説を読み、どう言った企業なのか、期待がさらに持てそうか、実は爆弾を抱えていないかなど確認しましょう。
買いタイミング
いい企業を見つけたらすぐに買いたくなってしまいますよね?これは私もやりがちなのですが、もちろん長期的にみたらそれでも利益は得られるのかもしれないですが、直近で含み損が大きくなっていくのも精神的な安定に影響が出てしまうと思いますので、私は「安く買う」と言うことを意識しています。
株価の確率分布
実際にじゃあ下がるの?と言った疑問を呈される方も多いと思います。こちらは私の考えでは、「おそらく、はい」とだけ答えておきます。
株価に限らずですが、世の中の事象は統計的な確率分布に支配されて動きます。例えばサイコロの場合だと平等に1/6の確率で目が出る確率分布になります。では株価はどうでしょうか?株価の数値にも裏には確率的な事象がありそれに基づき値段が動きます。
一般的に株価は「冪乗分布」と呼ばれる動きに従うと言われています。「冪乗分布」は自然界にも多く現れる分布であり、重力、分子間力、静電気力といったいわゆる物理的な事象も似たような形式で表現されます。株価もそれに従うといった形なのでしょう。ではこの「冪乗分布」はどういった性質を持つのでしょうか?
すごく簡単にいってしまうと、「暴騰、暴落が割と頻繁に起こる」と言う性質があります。
なので、待っていたらいつか大きな下げが来ると言えます。一方で大きな上げが来てしまい機会損失になる可能性もありますので、こちらはメリットデメリットはあると個人的には思います。
心理的安全性
とはいっても、なるべく損失はかぶりたくないですよね?というわけで私は下がったら買うを基本的に行なっています。極論、底で買ってしまえばそれ以降は全て利益になりますよね?その後含み益のバリアがあれば、多少の暴落では動じずに安心して握力をキープできると思います。
いつが底なのか?
これはとても難しい問題だと思います。落ちるナイフを掴んで最初は損失、だんだんと利益になるということがよくあると思います。最初は損失になるものだと割り切ってしまっても良いでしょう。
一応私の中で現時点で、これに対する回答になるのが「注目指数」から判断するということです。KabuMartには「トレンド」ページがあります。そこで月間の銘柄の注目指数を当月の予測値を含めてグラフで表示できるようになっています。
株価が暴落するときは、多くの投資家に注目されます。すると注目指数は跳ね上がります。注目指数が高い間は新規の投資家が買いを入れたり、古参の投資家が投げ出して売ったりすることで下げがしばらく続いている傾向にあるように感じます。(上がる時も注目指数は同様に上がることに注意)
そのため大きな下げや、暴落を確認したら注目指数が元の水準くらいまで戻ることを確認してから買いを入れるのが個人的には現状のベストだと考えています。
実際の取引の結果
精工技研
5月の時に購入しました。当時は注目指数や同業種比較は実装しておらず基本スコアのみでスコアのみで売買していましたが、プラスだったのでよしとしましょう。すでに売却済みです。

AIロボティクス
こちらも同時期にちょこちょこ売買をしていました。すでに売却済みです。

マンダム
8月くらいに買いました。その後TOBで株価が跳ね上がりました。初めてのTOBであったのでよく分からず2,000円くらいで売ってしまったのですが、まだ持っておいた方がよかったらしかったです笑

SCSK
こちらも同時期に買い、しばらく含み損だったのですが、突然同様にTOBをして跳ね上がりました。本来は下がった時に、買い増しすべきでしたが株価を見ていなくて機会損失を出してしまったことは悔やまれますが。(当時に買い増し判断ができたかでいうと分からないので、仕方ないですね)

その他
そのほかにも現状保持している銘柄などございますので、売却時に記事にまとめていこうかと思います。
最後に
本記事では私流の活用方法についてまとめました。私はあくまでKabuMartしか使わないという制限をかけて投資をしてますので、皆さんは他のツールなどもフルに活用してより確度の高い投資をすることを推奨します。また、本記事は絶対に儲かるといった投資方法ではございません。投資の推奨などもしていませんことをご理解いただけるようお願いします。
KabuMart
KabuMartは財務諸表等の自動分析を行い、企業のファンダメンタル分析をサポートします。